◇【企業紹介】体当たり取材・・・・「打ち上げ花火づくり」に体当たり![(有)糸井火工)] - 2008年02月

<同友ふくしま 2008年2月号に掲載>
200802-体当たり(糸井火工).jpg掲載記事はこちら(155)をご覧下さい。



須賀川地区広報委員・和田太郎さんの体当たり取材!
「打ち上げ花火づくり」に体当たり!
(有)糸井火工 代表取締役 糸井 一郎さん(須賀川地区)


 県内1600名の会員広しと言えども、「花火の製造・販売」を行っているのは(有)糸井火工一社だけ!
 夏の風物詩である打ち上げ花火づくりに挑戦すべく、1月のある吹雪の日、須賀川市岩瀬地区の小高い丘にある工場に糸井社長を訪ねました。

■あちこちに「火気厳禁」の文字が
 5年前に新しく建てられた工場には、3000坪の敷地に大小合わせて33棟の建物が配置されています。作業工程ごとに建物が分かれ、1つの工程が終わると次の建物へと移動しながら、1ヶ月ほどかけて1つの花火が作られていくとの事。
 火薬という危険物を扱う花火故に、常に危険と隣り合わせでもあります。糸井社長が「とにかく事故がなく安全に仕事が終わってホッとする毎日」だと言うように、社員の安全に対しては最も気を使う事柄です。あちこちに見られる「火気厳禁」の表示からも、そんな緊張感が伝わってきます。

■「玉はり」作業に体当たり!
 そんな緊張に身震いしながら、糸井社長と共に「玉はり」と呼ばれる作業を行う建物へ。4人の女性の皆さんが、てきぱきと花火の外側に糊付けした紙を貼り付けていきます。火薬が詰まった玉ねぎのような球体の表面に、細長い紙を15枚貼り付け、花火を安定させると共に形を整えるのがこの作業。では、早速!
 一見すると簡単そうですが、球状のところに縦・横・斜めとバランス良く紙を貼り付けるには力加減や向きが難しく、なかなかきれいに貼れず、形の良い球形にはなりません。ましてや1つでダイナマイトと同じぐらいの威力があるという花火がゴロゴロしている中、作業をする手にも緊張感が加わります。
 製品の仕上げに当たるこの作業では、親導(おやみち)と呼ばれる導火線の周りが特にポイントだと言います。親導の周りがきっちり固まっていないと、導火線の種火が外側を覆う紙に燃え移ってしまい、花火の中心への点火ができなくなってしまうそうです。
 そんなことを伺い、苦労しながら何とか一つが完成! 5年目の社員さん曰く「100点満点で10点かな」。

■職人の「技」…良い仕事は「見た目がきれい」
 紙を貼る糊は、うるち米など天然の素材だけを調合した特製のものです。糸井社長の奥様が毎日作るというこの糊、下手な団子なんかよりも良い素材を使っているだけに、試しに舐めてみると結構おいしい!(笑)。手間も費用もかかりますが、こうした小さな1つ1つのこだわりが「良い花火」をつくるためには欠かせないといいます。
 その1つ1つが手作りの花火だけに、それぞれの状況に応じて作業を進めなければいけない職人技。「『見た目を良くする』んじゃなくて、きちんと仕事をすれば『見た目のきれいな物ができるんだ』」と語る糸井社長。花火1つ1つにこうした花火職人たちの一生懸命さが詰まっているのです。

■危ないこと以外は「任せる」。そして無理をしない
 先ほど体験した玉はりは、最後の工程ということで比較的安全な工程です。それより前には、火薬を直接扱う星づくりなどの危険な作業も沢山あります。作業の効率を上げる工夫は勿論必要ですが、「慌てて作って” 万一“が起きたら取り返しがつかない」と作業量のノルマは設けないという糸井社長。明治6年以来、確かな製品を確かな技術で作り上げてきた信頼は、何よりも「安全」が第一でなければいけないという糸井社長の信念が土台となっています。
 一方で、「危ないこと以外は何でも自由な発想で” やってみろ“」と社員に任せることも大切にしている糸井社長。そんな中で、社員による新作花火の商品づくりも少しずつ形になってきているといいます。

■何万人もの口をアッと開かせたい!
 定着率が1割とも言われる花火職人の世界。そんな中でも同社15人の社員の中には、遠く青森から「自分が作った花火で何万人もの口をアッと開かせたい!」と花火職人を志して来た人もいるとか。「俺達は日本の文化で仕事をしている」と糸井社長は胸を張ります。
 県内の花火の4割はここから作り出されています。この夏の花火大会。夜空を彩る花火を見上げながら、糸井社長と社員の皆さんのことを思い出せば、花火の美しさはまた更に格別なことでしょう。

(体当たり/須賀川地区広報委員長 和田太郎
  写真・レポート/事務局 村上智彦)

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